不動産会社設立後の税務署への届出
不動産会社を設立したら、税務署等へ届出が必要です。
後述するような書類を速やかに提出しておかないと、とても大きな不利益を被る場合があり、きちんと提出しておきたいところです。
法人設立届出書
いわゆる法人の出生届です。
法人設立届出書は、管轄の税務署と地方公共団体にも提出します。地方公共団体は、東京23区でしたら管轄の都税事務所、その他の地域でしたら都道府県税事務所と市(区)役所の2ヶ所です。
つまり、東京23区だったら提出先は2ヶ所で、その他の地域だったら提出先は3ヶ所になります。
提出期限は、法人を設立してから2ヶ月以内となっています。
給与支払事務所等の開設届出書
こちらの届出書も、法人設立届出書とほぼセットで提出します。
提出期限は、給与等の支払事務を取り扱う事務所を設置してから1ヶ月以内となっています。
「法人設立届出書」と「給与支払事務所等の開設届出書」は、三井住友銀行などで銀行口座を開設する際の必要書類となっており、速やかに提出しておかないと口座開設が遅れる原因にもなりかねません。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
「源泉徴収について」の項目でも述べているように、原則は毎月納付しなければならない源泉所得税の納期限を、7月10日と1月20日の年2回にしてもらうことのできる申請書です。10人以上の人数の会社では適用できないのですが、そうでない会社は、毎月納付するという事務負担を軽減できるため、ほとんどの会社が提出するといってもいいでしょう。
この申請書の提出時期と、適用開始のタイミングには注意が必要です(詳しくは「源泉徴収について」を参照して下さい)。
青色申告の承認申請書
そして、この書類が最も大切です。
青色申告をすると様々な税務上の特典があり、デメリットはありませんので、必ずこの申請書は提出しましょう。
青色申告の特典とは?
最も代表的で重要な特典は、赤字(欠損)が出てしまった場合に、その欠損金を翌期以降9年間繰り越して、利益(所得)と相殺できることです。
例えば、1期目は開業にあたっての設備投資・広告宣伝などで500万円の赤字(欠損)になってしまったとしましょう。そして2期目に2,000万円の黒字(利益)になったとすると、青色申告なら2,000万円-500万円=1,500万円に対して課税されるところ、もし青色申告でないと2,000万円に対して丸々課税されてしまいます。
申請書1枚の有無でこんなことになってしまったら大損害です。青色申告の承認申請書は必ず提出期限までに提出するようにしましょう。
承認申請書の提出期限は?
青色申告の承認申請書の提出期限は、原則として、法人を設立してから3ヶ月以内ですが、3ヶ月が過ぎる前に決算日が到来する法人の場合は、その決算日までが提出期限です。
たとえうっかりでも、この期限を過ぎてしまったら救済制度はないという厳しさです。
万が一、提出期限を過ぎてしまったら、最小限の損害でリカバリーできる方法がありますので、お早めに当事務所にご相談下さい。