不動産会社に対する税務調査とは

税務調査とは?

日本では申告納税制度を採っており、法人は自ら法人税などの税金の額を計算し、申告・納税する仕組みになっています。したがって、申告した税額を納付していればとりあえずはいいのですが、国として何もチェックせずに法人の申告内容を信用していては簡単に脱税もできてしまいますので、税務署が時々会社に出向き、色々な資料と照らし合わせた上で申告内容が正しいのかどうかを確認するのが税務調査です。

その際に申告内容の間違いが発見され、当初の申告より所得が増加すれば、追加で法人税等を納める必要が生じるのです。

税務調査が来やすい会社は?

税務調査はすべての法人に均等な頻度で来るのかというと、そうではありません。税務署側も限られた人員(調査官)で、できるだけ多くの税収(この場合の税収とは、調査に入ったことにより増加する税額のことです)をあげる使命がありますので、効率を重視しなければなりません。

まずは、業種で判断されます。世の中には税務調査による追徴税額の多い業種というのが存在します。例えば、パチンコ店、バー・クラブ、廃棄物処理業などが該当し、残念ながら不動産業も入っています。

次に利益(所得)が出ているかどうかです。法人税は所得に対してかかる税金で、所得がマイナスなら税額は0です。税務調査で調査官が狙うのは、漏れていた売上を計上させたり、経費を一部否認したりして、所得をアップさせることです。しかし、所得がマイナスの会社へ税務調査に行って多少所得をアップさせても、やはりマイナスのままだったら税収が上がらないので、赤字の会社へ税務調査に入る優先度は低いのです。

したがって、不動産会社を経営していて黒字であれば、税務調査はいずれ来るものだと思った方がよいでしょう。

税務調査の頻度は?

毎期利益を出していれば、税務調査はだいたい3期に1回くらいの頻度で来ます。

もし、これよりも頻度が低ければ、前回の調査で税務署に好印象だった可能性があります。つまり、きちんと帳簿付けや書類の保管がされていて、適正に納税していると評価されているということです。

逆に、これよりも頻度が高ければ、税務署にマークされているのかもしれません。前回、悪質な所得隠しが見つかったとか、帳簿付けが不正確だったり、証憑の保管状態が悪かったりして不信感を抱かれていると、頻繁に税務調査が入ります。

設立当初から赤字続きの場合でも、税務調査が来ないわけではありません。申告納税制度では、一度は調査に行ってみないと、本当に赤字なのかどうか税務署は確認できません。調査の結果、本当に赤字であることが確認され、その後も赤字申告を続けていれば、調査に来る可能性は低くなっていきます。

税務調査の負担

調査を受ける側からすると、税務調査は精神的、経済的にとても負担の重いものです。

脱税しようとする意図などなく、真面目に納税しているつもりなのに、何かごまかしているんじゃないかという疑いの目で見られるのは、とても気分の悪いものです。また、重箱の隅のようなところをつついて、少しでも税額を徴収しようとしてくる調査官もいます。このようなことが精神的な負担です。

あるいは、いろいろと資料を出したり、説明したりしなければいけませんので、通常の業務に支障をきたします。社長も調査が気になって、本業がおろそかになったりすれば、それだけでも経済的損失です。

したがって、できるだけ早く調査を終えてもらうよう努力することも必要でしょう。

税務調査の受け方

脱税の証拠を掴まれたというような場合でなければ、通常は税務署から顧問税理士のところへ電話が入り、税務調査に入りたい旨が告げられます。調査官の希望日程はありますが、都合が悪ければ変更してもらうことは可能ですので、社長(あるいは税務調査に応対する方)と税理士の都合がいい日に来てもらいましょう。

税務調査の日数は、通常1~2日です。場合によっては、それだけでは時間が足りなくて、別の日に追加で来ることもあります。

調査官の人数は、通常1~2名です。2名の場合は、同じ部署の上司と部下(若い人)という組み合わせで来ることが多いです。調査官によって、態度や調査スキルにかなり差があるのが事実ですが、こればっかりは運といえるでしょう。もし、若い調査官が1人で来たら、単なるラッキーの場合もありますが、前回の調査で、適正に納税している法人だという好印象を税務署に与えている可能性もあります。

調査を受ける前には、必ず税理士と打合せをしましょう。必要な書類が揃っているかどうかを確認したり、税務署と見解が分かれそうな処理があれば、聞かれたときの説明のしかたを社長(あるいは税務調査に応対する方)と税理士の間で確認しておきます。

また、不動産業は印紙を貼る契約書が多いです。もし税務調査時に印紙漏れが見つかったら、過怠税といって本来の印紙税額の3倍の金額を徴収されます!しかも、過怠税は法人の経費になりません!これはかなり痛いので、印紙の有無は事前によく確認しておきましょう。

税務調査当日、社長は挨拶だけしたら「仕事があるので」と言ってその場から立ち去り、税理士に任せるのが無難です。たとえ温和そうな調査官でも、相手はプロです。和やかな雰囲気の雑談の中で巧みに知りたいことを社長から聞き出そうとしてきます。その聞かれている意図も分からずに、いろいろとしゃべってしまうと、後で上げ足を取られることもあるのです。税理士なら何のための質問なのか(どう答えたらまずいのか)が分かるので、社長は別室にいて、税理士が質問を預かってきたらその都度相談して、どう回答するのかを決めるくらいの方が良いのです。

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